シチュエーションCDとの出会い。
こちらのエントリでお話ししましたが、そんなこんなでわたしはゲイビを離れました。
ひとときの夢をありがとう。また会う日までさようなら。
そんな気分で再び、わたしは商業BLを読み漁る日常へと戻りました。
……
それから数年の間に、うっかりメンタルをやってしまって通院を始めたり引っ越したりなんだりと、人生でもわりと底を見たりしました。
引っ越した先で新しい病院にはどうしても行く気になれず、睡眠さえ改善されれば生きていけると自己判断。
ここでいわゆる「バイノーラルCD」と出会うことになります。
声優さんが催眠効果を狙ったシナリオを朗読してくれる、といった内容のものです。
安眠促進CD『羊でおやすみシリーズ』がわかりやすいですね。
これは名の通り、声優さんが羊を数えておやすみさせてくれるCDです。
物音が何よりの恐怖だったわたしは、それで耳を塞げば寝落ちすることができるようになりました。
こうなると、より良い入眠を探求したくなるのがオタクですよね。
プロの声優さんの中にもいろんな声質の方がいらっしゃって、片っ端から試しては、消去法で眠りやすいものを探していきました。
わたしが求めたのは、全ての音に引っかかりがなく、優しく響き、低すぎないお声。
眠るために聴くのですから、滑舌が気になるなんて論外です。
巷でいわれるところの低音セクシーボイスというのも、かえって気になってしまって眠れません。
シナリオも重要ですが、とにかく自分に合う声優さんを探しました。
そんな中でたどり着いたのが、女性向けゲームコンテンツ制作会社Rejetでした。
「SEVENTH HEVEN」や「帝國スタア」には、本当にとてもお世話になりました。
こうした音源をiPodに取り込み、イヤホンで最小のボリュームにします。
音が小さくて内容が聞き取れないとか、同じものを繰り返して飽きるとかは問題ではありません。
要は環境音楽のようなものが必要で、でもメロディがあると気になって眠れないのです。
そんな面倒なわたしの願いを叶えてくれたシチュエーションCDには、とても感謝しています。
……
眠るためとはいえまずは試さなければなりませんから、休日の昼間、ベッドに横になって一通り再生してみます。
あわよくばそのままお昼寝、というパターンもありました。とにかく当時のわたしにとって睡眠の難易度は高く、眠れるならばいつでも貪欲に眠ろうというスタイルでした。
先にあげた「SEVENTH HEVEN」というシリーズには、ストーリーの最後に1曲の歌唱パートがあります。
その日は他にも購入したCDがありましたので、お昼寝はせず最後まで聴いていました。
ストーリーが終わり音楽が流れ、キャラクターが歌い始めます。
……
…………
何。
なんで。
気付けば嗚咽するほど泣いてしまっていました。
いやぁ笑える。
ドン引きですよね。
いい歳した女がベッドでえぐえぐ泣いている。
けれど間違いなくこのときのわたしは、全くメンタル的なアレから立ち直れてはいませんでした。
お昼寝のつもりで無防備にした心を、素手で思い切りブン殴られたわけです。そりゃあ泣いちゃうわ。
……
というわけで無事に薬品としての睡眠導入剤から離脱できたわたしは、今度は声優さん沼へと嵌まり込んでいくのでした。
以降、現在に至るまで、入眠には必ず「ひとの話す声」を使用しています。
まだ寛解してない系?? ウケるーーww